●子どもに将棋を!
2016年 03月 02日
「4つの力」で日本が変わる
これほど教育効果の高い優れたゲームは他にない。起業家になった今、事業運営はすごく将棋に似ているなぁと思うわけです。
将棋とはどんなゲームか
将棋を「全く見たこともない」という人は少ないと思うのですが、念のために簡単に説明します。
まずお互いに20枚のコマを所定の配置に並べてスタート。交互にコマを動かし、相手の王様を取ると勝ちで、実際にはその手前でゲームは終了します。チェスに似ていますが、取った敵のコマを自分のコマとして使えるところが特徴です。
一番弱い「歩」でも相手の陣地になったら「と金」となって金と同じ強さになったりしますし(「土地成金」という言葉はここに由来)、さまざまな戦法・定跡と言われる手筋があり、変化が多くてかなり頭を使うゲームです。
基本的には、運の要素は何もありません。最近は、個性的なプロ棋士や、きれいな女流棋士も増えていますよね。
論理的思考力を養う
今は時間があれば、小学校1年生の息子と将棋を指します。まだ駒落ちといって、私の方は「金」という王様を守るコマが2枚と一番弱い「歩」だけから始めます。最近では彼も強くなったので、攻めにも使える「銀」と「桂馬」というコマを加えるところまで来ました。
一番強い「飛車」や「角」はまだ使っていませんが、彼も自分で本を読んで勉強して、“戦法”らしきものを使い、上手に攻めて、きれいに勝つようになってきました。「どうやったら勝てるかを考えるのが楽しい」のだとか。
この「考えるのが楽しい」という感覚が、とても大切なのだと思います。
もちろん、子どもなので走り回って楽しいのも重要なことなのですが、少しずつでも自分の頭で考えることを楽しむ感覚を持ってほしいと思っています。これは、自分の人生について考えることにもつながると思うからです。
3手先を読む習慣を付ける
仕事をしていてもマーケットを相手にしていても、常に「3手先を読む」ことは大切だと思います。
「人の半歩だけ先を行け」なんて表現をされることもありますよね。次の打ち手を決めるのに、常に5手も7手も先を読んでおく必要はありませんが、戦術レベルでは3手先は必ず必要になります。
自分が何かすると、相手はどう反応するだろうか、そしたら自分はこうしよう。これが3手先です。相手の反応には数種類ありますので、それら全ての「変化を読んでおく」必要があります。
どう反応するか分からないけれど、とりあえずやってみる、という人とは、この習慣で大きな差がつきます。
大局観を持つ
では、なぜ5手先、7手先まで読む必要はないのかというと、全体の状況がどうなっているか、有利か不利かなどをパッと見て直観的につかむ『大局観』を持っているからです。この大局観という独特の感覚が、将棋や囲碁、チェスといった陣取り系のゲームをやらない人には分かりにくいのではないでしょうか。
部分にとらわれずに全体を大きく捉えて、優勢か劣勢かを判断すること、としか言いようがありません。
将棋をやっていると、この大局観を持つ能力が磨かれる気がします。全てを言語化しなくても、その打ち手が大きな戦略の中で正しいか間違っているかが分かる。
スーパーコンピューターにプロ棋士が勝てる(ほぼ追いつかれたとも言われていますが、少なくとも互角に戦える)のは、この部分に拠ると思います。経験を積んだ経営者に似た能力を、将棋では無意識に使っているのではないか、と感じます。
「投了」をする
そして、子どもに将棋を教えていて「良いなあ」と思うのは、いつも礼に始まって礼に終わる所です。これは、武道でもそうですよね。特に、負けた時に「参りました」と頭を下げるのが素晴らしい。
勝者も相手に敬意を払い、頭を下げます。負けて大泣きをしていたうちの子も、最近では自分の負けを認められるように成長してきました。
自分の劣勢が明らかになったら、潔く投了してゼロクリアする。事業で言うところの、撤退ですよね。
こういう判断を、子どもの頃から訓練しておくと、しなやかな人生を送ることができるのではないかと。さすがにちょっとこれは、将棋に対する過剰な期待かもしれませんが。
全ての子どもに将棋を教えたら・・・
私自身は子どもの頃、真剣に相手をしてくれた祖父や父との思い出もあり、将棋をやって本当に良かったと思います。なので、自分の子どもには将棋を教えています。
しかし、今も昔も、実際に将棋を経験する子どもはむしろ、少数派でしょう。「じじくさい」「暗い」というイメージもいまだ、あるでしょうし。
これほど教育効果の高い、優れたゲームは他にないと思います(麻雀も良いですが、ちょっと別の問題が・・・)。仮に、全ての子どもが将棋を指すようになったらどうなるでしょう。子どもたちが少しだけ論理的思考を身につけ、先を読むようになり、大局観を持つ。
もしかしたらこの国が持つ知的能力は、大きく向上するかもしれません。これからは、それがすなわち競争力を死活的に左右するでしょう。
私は、「自分の頭で考えて、自由で好奇心あふれる生き方ができる」ことを大切な価値観にしていて、多くの人がそうなると良いなと考えています。
もしかしたら将棋を日本中の子どもに教える仕組みを作ることができれば、そういう人を爆発的に増やすことができるかもしれない。現段階では単なる妄想に過ぎないのですが・・・。
言葉で語るな、心で語れ
良い人生は、良い準備から始まる
人を大切にする人は人から大切にされる
人間関係は、相手の長所と付き合うものだ
仕事では頭を使い、人間関係では心を使え
挨拶はされるものではなく、するものである
わかるだけが勉強ではない、出来る事が勉強なのだ
仕事は言われてするものではなく、探してするものである
人は何をしてもらうかではなく、何が人に出来るかが大切なのだ
by 40144
| 2016-03-02 00:38
| 子どもが育つ魔法の言葉